みなさんこんにちは。多摩市の聖蹟桜ヶ丘で弁護士をしている堀木です。
きょうは、交通事故などで家族が同時に不幸に遭われたときの相続についてお話しします。

例えば、子がいない夫婦が交通事故で同時に亡くなり、妻にのみ財産があった場合、その財産について夫の親には相続権があるのでしょうか。
このように同時に亡くなった場合に、夫婦相互の相続が発生するとすれば、妻の財産の2分の1について一旦夫が相続し、さらに夫の死亡により夫の親がそれを相続するように思えます。

このような例で、妻と夫がまったく同時に亡くなった場合には、妻が亡くなった時に夫は存在していないことになり、夫婦相互の相続は発生しません。ですから、妻の財産を夫の親が相続することはありません。

しかし、多くの場合には、一つの交通事故で亡くなった方々の死亡の先後はわからないと思います。
このような場合にはどのように考えるのでしょうか。

法律では、複数の方が亡くなった場合で、その死亡の先後が不明の場合には、同時に死亡したものと推定することとされています。
ですから、今回の例のように交通事故で夫婦が亡くなった場合で、夫婦のどちらが先に死亡したかわからないときには、やはり夫婦相互の相続は発生せず、妻の財産を夫の親が相続することはありません。

法律には、様々な場面でこのように「推定する」という規定が置かれているのです。

聖蹟桜ヶ丘法律事務所